【現地レポート④】八王子とPHOENIX、交流試合で縁ある 2 チームが全国の舞台で対戦
2023年1月4日
大会初日の女子 1 回戦、八王子市立第一中学校 (東京、以下八王子) と NIIGATA PHOENIX (新潟、以下 PHOENIX) の対戦は、八王子が #9 陽本麻生の 2 ポイントで先制。対する PHOENIX も #13 渡邊天弥が得た 2 本のフリースローをしっかりと決め、その #13 渡邊がさらに 2 ポイントを決めて逆転と、序盤は一進一退の攻防で展開し、八王子の 11‐10 まで進んだ。
しかし、ここから八王子は #9 陽本の連続 2 本の 2 ポイント、#22 香月萌々子の 3 ポイントで 18‐10 とリードを奪い第 1 クォーターを終了。勢いに乗った八王子は、第 2 クォーターに入っても #24 岩波彩良の 3 ポイント、#9 陽本や #17 植野心春の 2 ポイントで一気に 25‐10 とリードを広げ、試合を優位に展開してゆく。
八王子の早い展開に後手に回った PHOENIX だが、第 3 クォーター半ば、八王子が 45‐17 とリードしたところから #11 橋本万穂の 3 ポイントと 2 ポイントで反撃ののろしを上げると、キャプテン #15 川崎天歌が 2 本連続となる 2 ポイントに加えて 3 ポイントも決めて 45‐29 とし、ベンチや応援席を一気に盛り上げた。その後も PHOENIX は奮闘を見せるが前半で開いた差は大きく、結果は八王子が 74‐45 で勝利を収めた。
八王子のキャプテン #4 澤田樹奈は、「前半は自分たちのプレーができず足が止まってしまいましたが、後半はディフェンスから流れをつかむことができました。速い展開でパスを回して、ドライブや 3 ポイントを打つことが得意のパターンですが、今日は集中力が切れたところで足が止まってしまったので、次は最初から最後まで全力で集中してプレーしたい」と気を引き締めていた。
一方、敗れた PHOENIX は、2 年前の第 1 回大会で出場権を得ていたが、当時猛威を振るっていた初期の新型コロナウイルスの影響を受け、涙の辞退を経験していた。昨年は下級生主体のチームとあって、出場権を懸けた最後の試合に敗れており、今回は 2 年越しに実現した全国の舞台だった。
この 3 年間、北信越エリアの外に出ての対外試合は皆無だったという PHOENIX。だが今大会、1 回戦で顔を合わせた八王子は奇しくも、コロナ以前に PHOENIX が20年以上、毎年年末に訪れて練習試合を行う仲のチームだった。松川知克コーチは、「我慢して我慢して自分たちだけで練習してきました。ここで八王子さんと対戦するのも運命を感じますし、選手たちには、ここで得られた経験を次の新たなステージで生かして頑張ってもらいたい。PHOENIX に集まってきてくれた子どもたちがいなければ、私もここへは来られません。楽しくやれたので感謝したいと思います」と優しい眼差しで語った。
PHOENIX のキャプテン #15 川崎は連続得点で追い上げた場面を振り返り、「ディフェンスから速攻やドライブから外にパスを出してスリーを決めて、そこからまたディフェンスを厳しくやって点を取るという自分たちのいいプレーを出すことができました。あの場面はとても良かったと思います」と語り笑顔を見せた。
新潟市内を中心に複数の中学校の生徒で構成されているクラブチームの PHOENIX。春になればそれぞれの高校へと進学し、今度はライバルとして同じコートで対峙することも増えるだろう。「これまでも PHOENIX の中ではいいライバルだったので、高校に上がってもお互いに盛り上げていきたい」。#15 川崎はそう語り、PHOENIX で過ごした時間を礎に新たな挑戦に向かおうとする、希望にあふれた笑顔を見せてくれた。